13 7月

高度先進医療における看護師の役割

高度先進医療とは、「公的保険の対象外となっている高いレベルの治療」と思っている人が多いですが、実際には間違いです。高度先進医療とは「安全性、有効性の両方の側面から公的医療保険対象にできるか検討している最中の医療技術のこと」を指しています。ですから、必ずしも最先端で、有効な治療法だと確立されている治療法なわけではありません。
安全性つまり副作用がないか、有効性つまり効果的な治療法なのか検討されている高度先進医療に興味を持っている看護師は少なくありません。実際に、高度先進医療を受けられるのは、医師が治療上必要だと判断し、なおかつ患者が希望した場合であること。さらに、厚生労働省が承認した医療機関であることが高度先進医療を受ける条件なので、どの病院の看護師も高度先進医療に関われるわけではありません。
看護師の役割は、高度先進医療だからといって変わるわけではありません。看護師の役割は、患者に寄り添った看護です。高度先進医療を行う病院のほとんどは大学病院ですが、たくさんの医師がチームとなって関わるので、通常は看護師が行う業務も医師が行うケースが少なくありません。そういったなかで看護師の役割は、患者の生活の質QOLを上げることです。そのため、治療法やその病気に対する知識を深める必要があります。がん治療の現場では、がん化学療法認定看護師、がん性疼痛認定看護師など特定分野のスペシャリストであれば十分に活躍できるでしょう。

14 11月

最先端の医療現場で働く

地域には、いくつか高度先進医療機器と技術を研究しているクリニックがあります。そのエリアで最大の規模を持つ、大型総合病院や大学病院がその例です。そこで働くには、臨床経験が豊富で病原体や治療の研究を長く行っていることが必要になります。医療機器も高額で取扱いが難しく、微妙な気圧や温度の違いでも狂いが生じてしまうほど、精巧な構造になっていることが多いのです。そのため、厳重に管理され、限定されたスタッフしか取り扱いできないようになっています。
看護師として最先端医療に携わりたいと考えるのであれば、総合病院や大学病院での勤務を経験しておきましょう。また、内部で異動を申し出たりするなどして、現場の近くで経験を積むのが大切です。貴重な臨床例である一方、患者さんにとっても治療の最終手段といった切実な環境であることも多くあります。精神的なサポートをするためには、知識と経験に裏付けされた人間力も要求されることになるのです。
救急対応で呼び出しになることもあり、忙しくて大変な仕事といえますがやりがいは大きく、手当などでしっかり評価される仕事でもあります。高度先進医療といっても随時新しいものが開発されていくので、知識を得るために勉強は続けなくてはなりません。実証や研究結果のサポートをしなくてはならないことも多くなり、プライベートの時間を確保できなくなる可能性もあります。それでもやってみたいという情熱のある人こそが、高度先進医療に携わるにふさわしい人材といえるでしょう。